何が得意分野で、どんな発信ができるか考えていたところ、やはり心理や福祉の分野について、「ひきこもり」という現象についてが最も発信できるものを持っているという結論に至った。
一方で、最近のひきこもり研究の動向をしらないので(少し前、2000年代くらいの資料までしか読んでいない)、最近の動向を調べようと論文検索したところ、まあ、その数の多いこと。
いつの間にひきこもりがこんなにホットな話題になっていたのかと驚いたが、一方で語られている視点があまりにもたくさんありすぎるということも気になった。
実存問題としての視点、コミュニケーション問題としての視点、発達障害としての視点、人格障害としての視点、家族問題としての視点、傷つき体験としての視点……。
そりゃぁ、ひきこもりは現象概念だからいかようにでも捉えられる、というより、これまで特定の考え方からしか見られていなかった方がおかしい。少なくとも以前僕が資料を集めたときは、実存問題、自己愛問題、モラトリアム問題、精神医学的問題等々、多様ではあれ論者が少なかったこともあり、まだ限られていた。
だが、これら様々な視点を取り上げていっただけでは混乱こそすれ、このブログを読んでもらおうとする、ひきこもり者やその家族の福祉に役立つことに結び付くかどうかは怪しい。かといってそれらを総まとめにして自立に役立つハウツー本のようなことを書くことは、実際問題役に立たない。むしろ害があるかもしれない。
たぶん、本当にひきこもり支援をしようと思うと、万人に効く処方箋なんてものがないように、個別に面談しながら個別ケースを一緒に考えていくようなことをしないといけないと思う。もっとも、支援者の方は論文を広く読んでたくさんの知識を頭に入れておくのは絶対に必要だが。
話を聴かせてくれる当事者の方がいらっしゃったら、募集してみようかな。